地理の窓口

中学受験から大学受験まで、地理を学ぶ人たちのためのおせっかいサイト

平均気温が35℃は暑いのですか?/受験地理のQ&A

Q 平均気温35℃とはどのくらいの気温なのですか?熊谷では夏によく35℃と天気予報ででてきますが、、、気候の学習をしているのですが、気温のことがイマイチわかりません。

 

A 質問者さんは「平均気温」と言っていますが、それは何の平均気温でしょうか?日常的に何となく使ってしまっている言葉ですが、地理学習では正確に表現しないと、思わぬところに落とし穴があります。注意しましょう。

質問者さんは恐らく1ヶ月の平均気温を言っているのでしょう。しかも暑い8月のことだと思います。

これを地理用語で言うと「最暖月平均気温」となります。1年で最も暖かい月の1ヶ月の平均気温、という意味です。

しかし、現実的にこれが、月の平均気温が35℃というのはあり得ません。日中の最高気温が35℃なのであって、一日の平均では、朝の最低気温と日中の最高気温のだいたい中間くらいになるはずです。

夏には熱帯夜と言われる日が時々あります。一晩中25℃を下回らない時です。これで25℃と35℃の間の30℃くらいとなるでしょう。1ヶ月間連続で熱帯夜ということはありえませんから、「最暖月平均気温」つまり夏の1ヶ月でも30℃には達しません。

沖縄の那覇市で28℃です。

世界の主要都市の気温を見て比較してみてください。地図帳の後ろの方に一覧表があります。それで探しても30℃に達している都市は思ったよりも少ないです。

 

もっとも西アジアの砂漠地帯となると話は別です。イラク南部のバスラという街は、世界の中で最も暑い街です。6月や7月の月平均気温は33℃に達しています。日中は50℃、朝の最低気温が30℃という、およそ日本で生活していたら想像すらつかない気温と言えますね。

 

 

日本で生活する感覚からすれば、夏の1ヶ月の平均気温が30℃はあり得ないくらいに暑い!ということを、ここでは覚えておきましょう。

 

あっ、それから気温が体温より高くなると、今度は「涼しく感じる!」と変なウワサが出ることがありますが、それもありません。自分の熱を外部に放散できなくなるので、熱中症の危険性が高くなります。気をつけましょう。

 

ここで一句

 

熱中症 30℃だったら 要注意

 

ではでは